「彼女じゃないって……」

俺はコーヒー牛乳を飲みながら小さく訂正したけど

「じゃあ、なんつーんだよ

ああ、あれか……えっと……セフレ?」

ピシッと空気が歪む

凍てついた雰囲気に顔をあげられなくなって……

「最悪……だから聞きたくないって言ってんのになんで言うのよ、とよきのバカ」

「悪いけど、お前を巻き込むよ
正直、理一を更正させる手段はお前しかおもいつかねーし」

「ムリムリ、関わりたくないこんな男」

ひどい言われ様……

っつか、俺にだってちゃんと考えがあって……こうなってるわけで

「仕方ねーだろ、こうでもしねーとストレスたまるし」

とヤケになって言うとあこが飛び掛らん勢いで声を大きくする

「ストレスだと??
そんなに好き勝手しといてストレスなんかあるわけないでしょーが!!」


「あるよ」

「なによ」

「あるって……」

「だから、そのストレスってのを言ってみて」

「……なんか、色々、思うようにいかないし……」

「色々って具体的に何?
思うようにって、どうしたいのよ」

な?
ほら
すっげー偉そう

もう口調の中に“お前のくだらん思いってのを言ってみろ”みたいなニュアンス含まれてるし

アタシの言う事は世界の常識~みたいな自信過剰の口ぶりとか

そういうの、聞いてるだけで興醒めするっていうか……

なんか、俺自身を器の小さい男って言われてるみたいで……ゲンナリするんだよ


「さやか、元気?」

突然あこにそう聞かれて目をあげた