☆ハイローハート

「風俗?何?気になるじゃん」

聞き漏らさなかったあこ

とよきは「あんなもんウソに決まってんだろ」と俺に怒っている

だって、待ち伏せの話はマジだったし


「あんなウソとホントの事すらわかんねーんだからお前病気なんだって」

「だからー、何の話よ!」

とあこが聞きたがって、俺は「あこが風俗で働いてるって噂」と答えた


「あっ、あほう!アタシまだ高1だっつーの」

「じゃあみさきのAV出演7P説は??」

「……理一、追い出されたい??」

「MJが売春のあっ旋してるって……」

というと、間髪いれずハンドクリームのチューブが飛んできて俺の頭でバウンドした

「ってぇー……」

飛んでいったハンドクリームをカブがくんくん匂っている


「アタシ達、どんな悪徳高校生よ」

あこは呆れた顔で「こわいこわい」と付け足した

とよきはパンを開封して食べ出している

「で……そんな噂好きのお姉さん達と、あんたらは一体どういうご関係??」

「俺は別にご関係もくそもない」

なんてしれっととよきが答えるから、俺は「きったねー!お前だって行っただろーが!!」と大声を出した

あこは「ああ……いつもの合コンね」と肩をすくめたから、やり過ごせた……と思ったのに

「で、合コンしたお姉さん方がなんで理一に会いにここに来るわけ?」

「とよきに会いに来たかもしれないじゃん」

「このマンションに住んでるのはあんたでしょーが」

……確かに


「あ、いいわ……なんか、聞くととんでもないトラブルに巻き込まれそうな気がしてきた……」

あこが突然身を引く


「理一の彼女」

と、とよきはあこの言葉を無視してそう言った