☆ハイローハート

――あの日は

そうだ、エレベーターの前で国坂とすれ違って……

アイツを家にあげてることにムカついて、さやかからケータイ忘れたから持ってきてって電話かかってきて……


忘れていたのに、その時の状況がセリフごと甦ってくる

腰が抜けたように座り込んだまま、みさきは懇願した

『お願い、ちょっとでいいから、ここに居て』

『電話すりゃ、男なんて何人でも来るだろ』

『アタシが、簡単にヤレそうな女に見えるから?』


『違うの?実際そうじゃん』


みさきが『お願い、行かないで』って言ったのに、それすら聞かなかった


「思い出した??」

黙ったままの俺にあこが声をかけてくる

「あ……れは、違うんだよ
……国坂にあって、それで……」

「モロにそんなひどい事言っておいて、コーヒーゼリーって……」


あこは俺の持ってきたコンビニの袋をのぞいて笑った

一つ取り出すと俺に投げ、残りの一つはあっという間にフタを取ってゼリーの上にフレッシュをかけていく


「みさき、今日どこにいるんだよ」

「……会って、どうすんの」

「謝る、許してくれるまで」

「モロが許しても、アタシは許さない、だから教えない」


俺はコーヒーゼリーを投げるように置くと、両手を合わせて「ごめん!!!」と言った

「本気で言ったわけじゃないんだ、そんなことマジで思ってないし」

あの時は、国坂にムカついたのをみさきに八つ当たりしただけで……


あこは「冗談でしょ、余計にたち悪いよ」と俺をあしらう


俺はその場に正座して、もう一度勢いよく手を合わせた