アクセサリーっけのない彼女の首にはネックレスもついておらず、耳にはピアス一つついていない


俺の指が刺激するたびにクロスのネックレスが肌の上を這うように跳ねた体を思い出す
簡単に家に入れるくせに、すぐに壊されるようなバリケードを張って
口では拒絶しながら、優しく微笑んで……


違う女の姿が重なって、振り払った


目の前の彼女のあごをキュッとつかんで下に少し引くと唇を重ねる

あっさりと口内に到達して、俺は少し目をあけてさやかの顔をみた


……かわいい、んだけど

少し苦しくなるくらいに深く舌を入れてみても、彼女は「んっ」と言っただけで受け入れてしまった



舌を入れられることを拒んで口をとざした女の呼吸を止めるように鼻をつまんで、唇を密着させた思い出が甦ってくる

苦しそうに眉を寄せて俺の体を叩いて押してくるけど、1ミリすら譲らず更に追い詰めると、いっそう凄惨に顔を歪めて必死に俺から逃れて大きく肩で呼吸をした

それすら許さずにまた唇を覆うと、ぎゅっととじた目の縁に涙がにじんで……

あの顔は、ヤバかった



思い出しただけで俺の体に変化が起こる


……目をあけて集中する


流れ作業のようにさやかの体に指とキスを与えて、そこそこに昂ぶらせると指を絡めて微笑んで、グロスの残ったピンクの唇にキスをしながら挿入していく


耳元に熱い息がかかって、触れ合う唇の隙間からあふれ出る喘ぎ声


俺は体を起こすと、彼女の腰を自分に引き寄せていっそう深く突き進んだ

その手を両胸にあてがうとさやかと目を合わせた

外に聞こえるんじゃないかと思えるほどの声をあげる顔は……ものすげー気持ちよさそう


女って、男の何倍も気持ちイイっていうけど……


俺の全ての思考を彼女の声が引き裂いていく

ただ抜き差しする行為に昇り詰めていくのがわかって、つながる部分に視線を向けた


あの日、背徳感に押しつぶされそうになってイクまいとこらえ、俺の腕につかまることすらできずにソファーを両手で強く掴んで苦しそうに首を振るみさきが脳内を支配し出す

声をあげさせたくて、もっともっと激しくしたい欲求に負けたことまで思い出す