真っ先にしたのは「へそぴ」


そして、念願のへそぴを買いに行く

一ヶ月間はファーストピアスをつけておかなきゃいけないんだけど、欲しいものは仕方ない

アタシはゆらゆらとジルコニアが揺れるのをチョイス

あこは赤い石がハートにカットされたのを選んでいた


「ビキニ着て、へそぴ見せたい」

「アタシも~」


とまだ来ぬ夏に思いを馳せる


「夏までに腹筋きたえておかなきゃ」

「え?あこお腹出てないやん」

「でもほら、アタシ今年は男ゲットしなきゃいけないんで」


その時にはもうアタシの頭の中に出来上がっていた、少し先の未来


きっかけは切なくて
でもちょっぴりウキウキして
だけどやっぱりセンチメンタルな未来の予感



昼休みにMJから「幸せそうね、あなた達」と電話がかかってきて、放課後合流する約束をした



アタシの両手とあこの両手が一杯になるくらい買い物をする

母親が緊急で送金してくれたお金があるから、それでタンスと冷蔵庫も購入した


それが届くまで泊まっていいよ、とあこは言ってくれてるし


――首尾は上々


その日の夜、家から教科書やノートの類は全て一旦あこの部屋へと持ってきた


そして、あこがスマートフォンを使いこなすべく悪戦苦闘している横で、アタシは英語の教科書をぼーっとただ見ていた