☆ハイローハート

理一はソファーに横向きに寝転がっていて、アタシはその前のローテーブルにお茶を置くとソファーにもたれかかりながら床に座った


「一人でいる割には、風呂場がキレイでびっくりした」

「……そう?」

「なんか、家もいつも片付いてるよな」

「なんか、掃除してなかったらイライラするねん」

「いいことじゃん」


褒められたみたいで、ちょっぴりくすぐったくなって三角座りすると、そのひざにあごを乗せた

夏前になって日が沈むのが遅くなったとはいえ、さすがに19時前になると暗い


「電気つける?」

「モンスター特集だし、つけなくていいんじゃねえ?」

「うん」


テレビの中ではゾンビと戦う聖職者が聖水の入ったコンドームを投げつけている

出演者を見ながらアタシは呟いた

「ジョージクルーニー……この時若いよなあ」

「この人?」

「うん……このタトゥーかっこよくない?」

「そうか??」

「理一がいつも見てる格闘技に出てくるファイターなんか、みんな悪趣味なタトゥーしてるやん」

「ま、確かに」


ちょっとだけ首を後ろに向けると、テレビ画面に照らされた理一の顔が見えた

理一がこっちを見ると、アタシの耳を指でなぞる


「こんなにピアスあいてたっけ?」

「こないだあこと一緒にあけた」

「仲イイね」

「左右3つずつ、あこと一緒やねん」

「ふーん」

「来月にはへそにもあける、……あこと一緒に」

「イタそ」