アゲハside ごぷりと流れたその、 鮮やかな紅は、 私を染め上げて、 桜を埋める。 あんなに輝いていた桜が あんなに優しげに微笑んでいた桜は 全身真っ白な姿で私を殺したいと独白したあと、 目の前で…喉を貫いた。 けれどうまく貫ききれなかったのか 桜は切なげに顔をゆがめた。 『…馬鹿ね、桜。』 今度は泣きそうに顔を歪める桜。 そんなに桜に愛おしさがこみ上げる。