HELLO

人ごみの中、立ちすくんでいる片桐と目があった。

「杏樹!」

名前を呼ばれてしまった。

呼ばれてしまった以上、もう逃げられない。

片桐が近づいてきた。

「――待ってたんだ…」

私は言った。

「そりゃな。

お前がくるまで、ずーっと」

片桐が言った。

もう帰ってると思ってたのに、片桐は私のことをずーっと待っていた。

「しかし…これからどうするんだよ」

片桐がそう言ったので、
「はっ?」

私は聞き返した。