HELLO

「お待たせー」

カバンを持って、玄関に顔を出した。

「お待たせもあるか。

何分待たせとんねん」

親太朗が呆れたと言うように言った。

「だって髪決まんなくて」

そう言った私に、
「思春期か!」

親太朗が言った。

いつものようにしゃべりながら家を後にした。

「ロールケーキでええ?」

親太朗がケーキ屋の紙袋を見せた。

「この前は栗まんじゅうを持ってったでしょ?」

そう言った私に、
「ならええな」

親太朗がそう言ったのを確認した後、私は腕時計に視線を向けた。

時計は10時40分を差していた。

あいつはもう駅にいるのかな?

私はそんなことを思った。