HELLO

転びそうになったけど、それも誰かの手によって支えられる。

親太朗が大きく目を見開いた。

「他の女に構うくらいなら、こんなバカなマネはしない」

見あげると、片桐の端正な横顔があった。

「俺が今欲しいのは杏樹だけだ。

それ以外は何もいらない」

私は彼の腕の中にいて、そのセリフを聞いている。

「杏樹が欲しかったから他の女とも手を切った。

それでも足りないんだったら、家も職も金も、何もかも捨てたっていい。

杏樹が手に入るなら、俺は何だってする」

片桐は宣言するようにはっきりと言った。