HELLO

「じゃあ、俺にどうしろと言うんだ?」

そう言った片桐に、
「知りません」

私はきっぱりと答えた。

どうしろも何しろも、私だって知らないわよ。

心の中で毒づいた私に、
「じゃあ、知ってもらおう」

片桐が言った。

「はっ?」

私の口からマヌケな声が出た。

「お前――杏樹が俺のことを知ればいい」

「ちょ、ちょっと待て!」

何で私のことを名前で呼ぶの!?

まだこの人に名乗ってないはずなんですけど…。

と言うか、この男に名乗る必要もないと思うけど。

「何のための名札なんだ」

男がそう言ったので、私は納得した。