HELLO

「とにかく、無理です。

お断りします」

頭を下げて断った私に、
「何でそんなことが言えるんだよ」

男が言った。

何でそんなことがって、いろいろと考えたら言えるに決まってるでしょうが。

心の中で毒づきながら、
「だって、私たちは初対面じゃないですか。

なのに、いきなり結婚して欲しいなんて言われて…無理に決まってるじゃないですか。

ドッキリなのかって思うじゃないですか」

男は少し考えた後、
「俺が誰かわかればいいんだな?」
と、言った。

「えっ、まあ…」

私が首を縦に振ってうなずいたことを確認すると、男はスーツのポケットに手を入れた。

そこから、スッと机の上に何かを差し出した。