『なんか謝る事ない?』
「誰に?」
『俺に』
「無いよ〜」
『ばか』
「は?私何したよ?」
『じゃあ俺、お前の教科書貰うな』
「まさか私忘れた?」
『おぅ』
「隠れてる時かな?」
『俺さ、お前が笑顔で走り出すから
とめる気になれなかったし』
「ごめんごめん
重かったよね?」
『お前よりかは軽かったがな』
電話の向こうで笑っている
「ちーび。」
『なっ…てゆかそんなにチビじゃねぇし』
「私と変わんないよ?」
『お前がバカデカイんだよ』
「モデルって皆これくらいだけど?」
『身長はモデルでも
掴めるお腹は……』
「くそー……負けた」
『はい。俺の勝ち
だから今日中に教科書家まで取りに来いよ』
「ふんっだ」
私は電話の向こうで笑っている藍田を無視し
電話を切った
