「ユリちゃん、おめでとう〜!!」

シャンパングラスがあちらこちらで心地良い高音を鳴らす。
今日はうちの店のNo.3ホスト、一也のお客であるユリちゃんの誕生日なのである。
ユリちゃんは社長令嬢で、一也にとってもうちの店にとっても大事なお客だ。
なので、うちのNo.1である僕もユリちゃんの席に顔をだしに行く。

「ユリちゃん何歳になったの?」

「優斗さ〜ん、No.1のセリフとは思えないよ〜。」

「あはは、ごめんごめん!」
「も〜、そんなこと言ってたらあたしの一也がNo.1とっちゃうよ〜!」

「おっと、それは気をつけないとな〜」

「とか言って優斗さん、全然焦ってねーからなぁ」

一也が僕を見てため息をついた。

「いやいや、最近おまえらとの売り上げの差、なくなってきたからな〜」

「えっ、一也マジ!?」

「ちょっとだけだよ。優斗さんが大袈裟に言ってるだけだって。」

「えーなんだぁ〜。」

「ははは!まぁまぁ、今日の主役はユリちゃんなんだから、ユリちゃんの話をしようよ。」

こんなかんじで、誕生日会はなかなかに盛り上がりを見せていた。

そんな中、突然ユリちゃんの携帯電話が鳴り出した。