“そいつ”とは紛れもなくマリアさんの事で 女の子をそいつ呼ばわりするのはどうかと思いつつも レツに突っ込むほどの気力はなく、私はマリアさんに頭を下げると車へと乗り込んだ。 ヒヤリとしたシートが体に染みる。 運転席にもう総ちゃんはいなくて、久々に乗ったこの車は知らない人が運転している 私はレツの肩に頭をのっけると、引き寄せてくれるその温もりに瞳を閉じた。