「ねぇ…瑞音」


母さんは俯いたままあたしの名前を呼んだ…


「…ホントにごめんね…」


何を言い出すのかと思えば謝罪ですか…


「一応聞くけど…何に対して謝ってんの?」

「瑞音を邪魔者扱いした事とか…とにかくたくさん瑞音を傷つけた…」


別に…傷ついてはいない

ただ…周りの子達みたいに大事にされたかった

ただ…それだけ…



ねぇ母さん…

もし家が病院じゃなかったら…

明るくて何でも話せる家族になってたのかな…



「母さん…」


あたしはお茶を入れながら母さんに話しかけた…


「今まで母さんや父さんに感謝なんてした事なかった…でもね…今は感謝してるよ…だって母さん達がいなかったらあたし産まれてなかったもん…母さん達がいなかったらあたし輝と会えなかったもん……だからさ…あ、ありがと…ね」