「…いや。お前は俺に近付いちゃいけないから、が正しい」
一瞬、雪佳が哀しそうな顔をした。
「何で?」
「…別に」
雪佳はゆっくり立ち上がり、屋上から去った。
あたしは1人、立ちすくんでいた。
…あの哀しそうな顔。
前に1度だけ見たことがある気がする。
「……」
だけど、思い出せない。
教室に着くまで、頑張って頭をフル回転させたけど、結局頭が痛くなっただけだった。
教室に戻ったら、直ぐさま麻里がこっちを見て勢いよく立ち上がった。
「ど~だった?春香っ」
麻里がニヤニヤしながら近付いてくる。
「告白された」
「それは分かるよ!んで?何て答えたの?」
「別に、いつでもいいって言われたからしてない」
「何で!?長谷川君なら即決でオッケーでしょ!」
「うーん…」
…それより、雪佳のあの顔が気になる。
もちろん、長谷川君のことも考えなきゃいけないけどね?



