「春香ちゃん」


ドアの前に修吾君がいた。


「修吾君」


あたしと修吾君は前半、学校をまわる。


今まで相当な葛藤があたしの中で繰り広げられてたけど、あっさりしてる。


なんか、緊張しすぎて平気になったっぽい。


変なの。


「行こっか」


「うん!」


廊下に出て、手を軽く握る。


…まだ手を握るという行為には慣れない。


恋人繋ぎでもないのに。