君が愛した教室


あれから、一週間以上が経ったある日。
LHRで進路調査の紙が配られた。
もう秋も終盤。進路を悩んでた人たちも、さすがに自分の道を決めたみたいで、用紙の空白欄はすぐ埋まっていってた。

でも、私は…

一つも埋まらなかった。
そのまま提出しないで、用紙を静かに自分の鞄にしまった。


そして、ため息を付いて窓を見つめた。

そこにいるはずもないのに、無意識に私の目は先生を探していた。

最近、ずっと癖だな。

いるはずないって、頭ではわかってるのに…私はいつでも先生を探してる。
もう後戻り出来ないくらい、先生の事、意識しちゃってるんだ…

そう思うと少し、自分で自分が惨めになった。

私はイケナイ恋をしてるんだって思うと...