「ねぇってば!」
「うるせぇな。怒ってねぇっつってんだろ」
「怒ってるじゃん!」
「怒ってませんよ教授。それより俺、忙しいんで帰っていただけませんかね?」
「ぅー…」
やっぱり怒ってる……そう小さく呟く南。
ご主人も頑固だのう。南の方を見向きもせずにパソコンを開きだしたぞい。
「みきぷー……ごめんなさい…」
「何のことですか?俺は怒ってないって言ってるじゃないですか。大体何に対して謝ってるんです?気安くごめんなんて口にしないで貰えますか。…不愉快なんで」
あーあー。そんな笑顔で言うから南が泣きそうだぞい。
ご主人は何だって南に対して怒ってるのかのう。
「みき……」
「話しかけないで下さい。……床ででもベランダでも好きな所で寝て勝手に風邪でもひけばいいでしょう、南教授?」
なんぞい。
昨日南がうっかり床で寝てしまったからかい。
まったく…ご主人もまだまだ子どもだのう。
──…心配したならそう言えばいいものを


