そう言うとシズマサは私の手を取って人気のない所へ行き、空へと飛んだ。

……飛んだ!!


「ちょっ…シズマサ、どうして飛ぶの?」


「空なら誰にも邪魔されない」


そう言って甘く微笑んだ。


「う、ん。そだね…」


「……何照れてるの」


「なっ!?て、照れてないし!!」


照れてないけど……心臓は壊れた。確実に壊れた。


「クスッ…かわい」


一気に顔に熱が集まるのが分かる。

イケメンの笑顔と甘い言葉は法律で取り締まるべきだと思う。

じゃないと……心臓がいくつあっても足りないよ。


「あーあ。それにしても…せっかくのデートだったのに……」


シズマサにお姫様抱っこされたまま空中でぼやく。


「じゃあ…空中デート、する?」


「え?」


「景色の綺麗な所、連れてってあげる」


「ホント!?行く!」


「ん。じゃあ掴まってなよ」




ギュッとシズマサに抱き着いてこれからのデートに心踊らす。


空を夕陽が赤く染める中


シズマサとのデートはまだまだ終わらない。




END