「……何で」
高校生のくせにノート書かないってどういうことだ。
「書かなくても覚える」
「あ……さいですか…」
…他に何て言えばいいんだよ!!
こいつは頭いいさ!!それこそ狙って10番取れるくらいね!!
くそぅ!!このインテリイケメンがあっ!!
良汰なんて……良汰なんてなあ…
「だが、ここにテストのポイントをおさえたノートがある」
「良汰ー!!愛してるー!!」
ノートをとらないはずの良汰が数冊のノートを手に持ってこっちを見た。
「俺はただ司が留年したら司が寂しいだろうから…」
俺が抱き着くと顔を少し赤くしてそっぽを向いた。
つまり、俺がいないと寂しいから用意してくれたって訳ね。
そして柄にもないことを言って照れている、と。
ったく。
ホント可愛いねぇ。俺の幼なじみ様は。
親友の俺が、お前から離れていくわけないじゃん。
だからさ──…
「サンキュー!!これで進級できる!ありがとな、良汰!!」
良汰は柔らかく微笑む。
「世話がやけるな…」
──独りで抱え込まなくていいんだからな
END


