恐る恐る鍋の蓋を開けると……
「わお」
予想通りの光景が広がっていた。
ご飯より遥かに多い水。
何故かのってるきゅうり。
さらにオレンジ。
そしてこの匂いはニンニクか?
極めつけはこの色……茶色?
え、何?
お粥だよね?闇鍋じゃあ無いんだよね?
「えっと……一応尋ねますがこれ、お粥ですよね?」
「そうだよ?それ以外何に見えるの」
むしろお粥にだけは見えないんですがね。
「そ、そーですよねー…お粥にしか見えないなー」
ごめんなさいお母さん。優月は嘘をつきました。…そしてもう里帰りは出来そうにありません。
「はい、優月。あーん」
「あーん……」
パクっ
はっ!しまった。
つい条件反射で目の前に差し出されたお粥を食べちゃった。


