「ねー今日はどこに連れてってくれるのー?」 わざと甘ったるい声を出して彼氏に話しかけるわたし。 「お前の好きなところでいいよ」 「えー」 いっつもそうだよね、俊正は。 自己主張をしないで、わたしに合わせる。 「……たまには俊正の行きたいところにいってみたいなッ」 「俺の行きたいところはお前の行きたいところだって」 「…………むー」 わたしは俊正のがっしりした腕に自分の腕を絡ませた。