Escape from the DEAD

その頃、一階のとある教室。

「考えてみれば始めからこれを利用すればよかったのよ、せっかく普段から持ち歩いてるんだし」

芹は椅子に座って足を組んだまま、携帯電話の画面を見ている。

要と分断されてから、芹と紅はゾンビの群れの襲撃を避けるべく教室に逃げ込んでいた。

物音さえ立てなければ、こちらが発見される事もない。

ゾンビ達はどうやら物音や匂いなどで『獲物』の位置を特定しているようだった。

特に音には敏感で、多くの人間がゾンビ化してしまった事で声のしないこの校舎内では、悲鳴や話し声を辿って集まる傾向にあるらしい。