「お、あったあった」

要が木刀を手に取る。

一階へと警戒しながら降りてきた彼らは、階段からすぐの所で『いい場所』に辿り着いた。

剣道場。

剣道部の部室であると同時に、男子の格技の授業の時に使用される教室でもある。

当然ここには竹刀の他に木刀もある筈なのだが。

「ここにも木刀一本だけか…他の奴らが武器として持っていったのかな」

ここでなら人数分の武器を確保できると思っていた要は、少し不満そうだった。