Escape from the DEAD

三階は酷い有り様だ。

血痕だけではない。

ゾンビ達の食べ残しだろうか。

人間の体の一部だけが無造作に廊下に転がっている場所もあった。

吐き気を催すような光景。

とても自分が通っている学び舎とは思えない。

この国で、こんな光景を目の当たりにするとは思わなかった。

政情不安定な海外の国ならともかく、治安の安定したこの国で、まさかこんな…。

青ざめた顔で周囲を見ていた時だった。

「誰かっ!誰かぁあぁぁっ!」

静寂を切り裂くような悲鳴が、要の耳に届く。

この金切り声は間違いない、芹だった。