Escape from the DEAD

上履きの音を立てて、要は走る。

廊下に散らばる窓ガラスの破片。

壁にこびりついた血痕。

この廊下で一体何があったのか、考えたくもなかった。

この血痕が誰のものなのか、想像したくもなかった。

ただ走る。

芹の姿を探して。

彼女は要を追って屋上から降りてきてくれた。

知り合いが誰一人いなくなった屋上にいるよりは、別段親しくもない、しかしクラスメイトの要といた方がいいと考えただけかもしれない。

ただの比較論で要を追って来ただけかも知れない。

だが、彼女は要を頼ってきてくれたのだ。

ならば、見捨てる訳にはいかない…!