Escape from the DEAD

要はそうはいかない。

屋上を降りる際に覚悟は決めた。

これが日常でない事も認識した。

しかし『良識』まで捨てたつもりはない。

芹はクラスメイトだ。

自分一人で逃げたが…彼女はパニックを起こしただけなのだ。

「俺っ…後を追います!」

血塗れのまま佇む紅に背を向け、走り出す要。

「………」

その背中を、紅は冷ややかな目で見送った。