Escape from the DEAD

しばらく三階の廊下を歩いていると。

「っと」

先頭を歩いていた紅が立ち止まる。

「どうしたんですか、二階堂先輩」

彼女の顔を窺う要は。

「！」

すぐにその状況を悟る。

行く手に十体近いゾンビの群れ。

男女の生徒のゾンビが、フラフラとおぼつかない足取りでこちらに近づいてくるのが見えた。

ゆらめくような動き。

のけ反るような仕草。

不安定にもかかわらず、その足取りは確実に要達へと向けられている。