直後。

「!?」

階段の上の方で大きな音がした。

ガタガタッ!という机や椅子が崩れ落ちるような音。

しばらくして、複数の悲鳴が響いてきた。

助けを求める声、苦痛を訴える声、命乞いをする声。

そのどれもが、最期には断末魔の悲鳴に飲み込まれる。

「運が良かったな、クラス委員。タッチの差って奴だ」

紅が芹の顔を見て言った。

「もう少し追いつくのが遅かったら、お前もあの悲鳴の仲間入りしていた所だ」