階段を下り切る。

ここからは三階。

教室のあるフロアだ。

当然多くの生徒達がいた筈。

という事はそれらがゾンビとなって多く徘徊している筈だ。

気を引き締め、要は一歩踏み出そうとして。

「相沢君っ!」

突然の声に呼び止められた。

振り向くと、ポニーテールを揺らして駆け寄ってくる女子生徒の姿。

「来生?」

屋上に留まった筈の芹が、要達を追ってきていた。

「屋上に残ったんじゃなかったのか?」

「何言ってるのよ!相沢君が勝手な行動とるから、クラス委員として後を追ってきたんじゃない!」

紅の言う『綺麗事』を口にして、芹は大きな声でまくし立てた。