返り血を拭いもせず、紅は歩き出す。

その後ろを青ざめた顔でついて行く要。

「お前、名前は?」

階段を下りながら紅が問いかける。

「あ、相沢 要っす…」

「相沢、私の事を『ゾンビとはいえかつて人間だった相手を容赦なく殺す冷酷な女』と思ったか?」

振り向きもせず言う彼女。

「それとも『流石学園一の鼻摘み者、暴走族に入っているって噂もあながち的外れじゃないかもな』…か?」

当たらずとも遠からず。

要は返答に窮する。