Escape from the DEAD

さっきまで機嫌のよかった芹が、プイとそっぽを向いた。

要を無視して土蔵に入り、戻ってきたかと思ったらSR-25風に改造したAR-10を持ち出してくる。

「芹、休まないのか?」

「二階堂先輩と勝手に休んだら?私は今度はこの銃で練習するから」

もう要と目も合わせてくれない。

取り付く島もないといった様子で、ひたすらにスコープを覗き込んでAR-10のトリガーを引く。

要が紅を馴れ馴れしく下の名前で呼んだ。

その事に気分を害したというのは一目瞭然だった。

「坊主にゃちっとばかり荷が重いな、あのお嬢ちゃんは」

組員が笑いながら要の背中を叩いた。