Escape from the DEAD

紅は周囲でヒソヒソと呟く生徒達を一瞥する。

「私も行ってやるよ」

「え?」

紅の言葉に要は少し驚く。

ゾンビの真っ只中に向かおうとしているのに、まさか同行者が名乗り出てくるとは。

紅はもう一度周囲の生徒達を見て嘲笑する。

「腰抜けどもと一緒にいるよりはマシだ」

「……っ」

罵られたものの、紅に文句を言えばどんな目に遭わされるかわからない。

相手によって強気に出たり口を噤んだり。

そういう意味では、確かに生徒達は紅の言う通り腰抜けだった。