温めた弁当とペットボトルのお茶で、夕食をとる三人。

当然の事ながら無銭飲食だが、勘弁してもらいたい。

「で…これからのプランだが…」

紅が食事を口に運びながら言う。

「そうだな…どう思う?きす…芹」

まだ言い慣れないのか、たどたどしく要が芹を呼ぶ。

「そうねぇ…」

弁当の容器を一旦置いてペットボトルのお茶に持ち替え、芹は喉を潤した。

「葺山市にいたって現状は変わらないと思うわ。どこも酷い有り様だし、生存者も軒並み街から出て行ってるみたいだしね」

芹は要の顔を見た。

「私達も街から脱出するべきじゃないかしら」