「どうせ私が下の名前呼んだり呼ばせたりするのに困惑してるんでしょ?」

「あ、ああ…」

交番で救出してからというもの、芹は妙に要に好意的だ。

よく言えば親密、悪く言えば馴れ馴れしい態度。

まぁ要も男だ。

平均以上のルックスとスタイルを持つ芹に好意的にされるのは悪い気分ではないが…。

「どうせ世界はこんな事になってるし、私達三人、長く行動を共にする事になるんだもの」

レジの電子レンジに向かいながら、芹は肩越しに要を見た。

「親しくしておいた方が、協力もしやすいでしょ、要」