そんな要の横顔を、少し冷めた表情で見つめる紅の姿がある。

芹が離れ離れになった事で焦っている要とは、対照的な表情と言えた。

「そんなに慌てる事はないんじゃないか。来生も子供じゃない」

「は?」

紅の発言に、要は思わず訊き返す。

「何言ってんですか二階堂先輩っ、只の迷子とは訳が違うんですよ?街にはゾンビが溢れている。分かるでしょう?」

「だが…来生だって武器を持っているんだ。そんなに心配しなくても」

「武器って言ったって箒の柄ですよ?俺達みたいに金属バットや木刀じゃない。戦闘に適したものじゃないんです」

何を言い出すのだろう、この人は。

突然の紅の発言に、要は訝しげな表情を見せた。