ずっしりとポケットに重みが伝わってくる。

学校でも校則を破った事のない芹だ。

拳銃を勝手に交番から持ち出したという事実は、罪悪感が圧し掛かる。

(何よ…しょうがないじゃない…)

心の中で芹は呟く。

(ゾンビなんて馬鹿げた連中がウロウロしてるんだもの…私だって簡単に死んでなんかやらないんだから…いいわよ、破ってやるわよ法律!)

誰にともなく逆ギレして、芹はその眼差しに強い光を宿す。

(私一人でも戦って、戦って!相沢君達と合流するまで生き延びてやるんだから!)