学校を出て全速力で走り続け。

「も、もうここら辺まで来ればいいでしょ…」

ゼェゼェと息をしながら、芹がようやく立ち止まる。

学校からの脱出成功。

たった三人で、よく逃げ延びられたものだ。

「無事でよかった、相沢。分断された時は流石に焦ったぞ」

木刀片手に紅が呼吸を弾ませる。

その表情には、要と合流できた事に対する安堵の笑みが見えた。

「二階堂先輩こそ無事でよかったです。ずっと武器を持っていないままだったから心配しました」

紅に頷きかける要。

そんな彼の腕をパシッ!とはたき。

「ちょっと!私は心配じゃなかった訳っ?」

芹が膨れっ面になる。

「い、いや、勿論来生もだよ…無事でよかった」

要は苦笑いするのだった。