Escape from the DEAD

その声に、一斉に注目する。

声の主は黒髪、中肉中背のどこにでもいる少年だった。

相沢 要(あいざわ かなめ)。

この学園の二年生である。

彼もまたこのパニックの中で何とか冷静さを失わず、屋上に逃げ込むという『正解』を導き出した一人だった。

だが状況は刻一刻と変化している。

「きっと校内のゾンビは増えていく一方だ。もしかしたら今にバリケードも数で押し切られて突破されるかもしれない。そうなったら、この屋上に逃げ場はないぜ?」