★海翔side
美月とは理科の時間が1番近い。
他の男子よりも近い位置で話す。
幼馴染の岳(がく)って奴には負けるけど…。
幼稚園からずっと一緒だからって休み時間とかも話している。
もちろん学級委員長やってるから委員会も一緒。
そこがかなり悔しい。
だからといって学級委員長にはなれない。
なんでかって…俺はバカだし?
そんな奴が学級まとめられっかって話。
それを思うと岳にはかなわない。
美月は岳のことが好きなのか?とか思う。

「美月いる?」
教室のドアの近くで美月を呼ぶ声。
「いるー」
そういって美月は教室を出る。
…そう、岳だ。
岳とは教室も隣。
よく委員会のこととかで話に来る。

この場面をみると心の奥が痛くなる。
ズキズキするような痛みだ。
親友の優介(ゆうすけ)に聞いたら
「それは恋だねー」
そういわれた。

そんな俺をお構いなしに美月は話す。
いろんな表情を見せながらはなす。
「え?まじでー?」
小学校のころの話も、
「懐かしいよねー」
幼稚園のころの話もする。
俺は昔の美月を知らない。
だから余計悔しいんだ。

俺は今の美月しかしらない。
でも岳は昔の美月を知っている。
これからでも…美月を知りたい。
心からそう思った。