黒崎家にはあたしの二歳上の長男海斗がいる

海斗の両親(まあ、今はあたしの義父母でもあるが)はあたしの存在を、とても嫌っている

しかし、あたしをこの家から追い出せないのには理由がある


まあ、理由は後々、わかると思うけど…





ガチャ

「あ、お義兄ちゃん、おはよう」

『唯、おはよう』



この人があたしのお義兄ちゃんの黒崎海斗 クロサキ カイト

今は大学一年生で、理工学部に入っている

お義兄ちゃんはいわゆる「イケメン」というヤツで外ではとてもクールというキャラでモテるらしいんだが………




ギュッ

お義兄ちゃんはあたしのことを抱きしめた

『髪が少し濡れてるね、お風呂入ったの?』


「うん」


そう、黒崎海斗は自分で言うのもアレだか生粋の「ロリコン」なのだ……

そして、義父母は海斗が唯のことが好きという事実を知っている………

義父母もまた義父母で、ものすごく「馬鹿親」なのだ……海斗にだけ……

お義兄ちゃん本人は全然気づいてないようだけど



義父母はあたしが海斗をたぶらかしたと言って、何かとあたしにあってくる………



あたしを追い出せないのはお義兄ちゃんが、シスコンだから。

前に一度だけ、義父母があたしを追い出そうとしたんだけど

お義兄ちゃんが両親にマジギレして、結局あたしを追い出すことが出来なかった