大輝は右手で前髪をかきあげながら、下を向いてフッと力のない笑みをこぼした。
「やってやるよ…」と呟くと、勢いよく顔を上げた。
「やってやるよ!」
そう叫んだ大輝の顔は、充血した目は見開いていて、眉間にしわがより、まゆが上がっていた。
その姿はもう、従来の大輝ではなかった。
こんなクソみたいなゲームの中で、今までの明るい大輝のままでいろというほうが、無理な話だ。
前までの大輝だったら、さくらの んな言葉でキレることはまずなかったし、それ以前に誰かに対して怒ることはほとんどなかった。
あるとしたら、部活中、真面目にやらない奴らに対してくらいだ。
ペンチを握ぎゅっとりしめると、手に汗をかいているのが分かった。
その場に腰を下ろし、お気に入りの人気スポーツメーカーのスニーカーと、赤色の靴下を脱いだ。
足の爪のほうが、痛みが少なそうな気がして。

