友情恋人ゲーム〜デス・ミッション〜(仮)


震える唇を噛み締めながら、下ろしていたペンチを再度見る。

普段だったら、ただの工具でしかないこのペンチも、恐ろしい凶器に見える。


やらなければいけないと思うのに、嫌に光るこれのせいで、そんな思いもかき消されてしまう。

死ぬのも嫌だけど、痛いのも嫌だ。
そう思ってしまう。


決意と恐怖の間で迷っている大輝に、さくらがぽつりと冷たく言った。「やらないの?」


全員がさくらの言葉に目を丸くし、さくらを見る。
もちろん大輝もだ。

さくらの顔は、今までのどの顔とも違った。
ゲーム前の優しい顔でもなく、光が自殺した時の絶望的な顔でもなければ、ミッションをクリアした時の虚ろな顔でもなかった。
恐怖に怯えているわけでもない。
その表情は、どこか吹っ切れたようだった。

「ねぇ、やらないの?それとも、できないの?」

追い討ちをかけるように再度大輝に投げかけた。
まるで、「腰抜けね」とでも言いたげなニュアンスだった。


しかしさくらとしては、そんなに深い意味で言ったわけではなかった。
ただ、さっき桃香を殺したことを咎められたから、その仕返しにと思っただけで。

ちょっとした仕返しのつもりだったのだけれど、その言葉は今の大輝にとって、絶大な効果をもたらした。