新しく現れた男は、おぼんのようなものを持っていた。
左手で下から支えるように持ち、胸の高さに合わせて。
空いている右手は、爪の先まで真っ直ぐ下に下ろしている。
中は赤い絨毯のような生地の布が敷いてあり、外側はべっこう飴みたいな色。
落としたら割れそうな素材で出来ている。
どこかで見た気がするような形。
そうだ。集会で表彰される時、教頭先生があんな感じのおぼんに賞状を置いて校長先生の元へ運んでいた。
まさにそれに似ている。
そのおぼんの中には、恐らく爪を剥がすための道具が置かれているだろう。
その上に白い布がかかっているため見えないが。

