「あんた本当何も知らないんだね?よく池(田)先があいつの事件話してんじゃん!…ってHR聞いてないね、妄想中で」
…おっしゃるとおりです。
「てか、そんな人にぶつかったアタシって…」
「死亡フラグ☆」
「さよなら、唯。楽しかったよ」
2人して涙ぐむ。
「ちょ…ちょっと勝手に殺さないで……」
「安藤唯!いるか?!」
すると、扉の向こうがら美声がアタシを呼ぶ…。
もしかして、王子?
「なわけないでしょ、ほら地獄へ行ってきなさい」
「それじゃあね☆」
「へ?へ?!」
そうしてアタシは2人に教室から出されてた。
目の前には…朝の男、亘理聖夜。
「よお、ニヤニヤ女。話があるから屋上に来い?」
アタシはワケがわからないまま屋上へ連れ出された。

えーっと、そう!
少女漫画ではここから一目惚れで告白されるパターン!
そうだよ!そうと信じよう!
「今朝はどうも?安藤唯」
…そんな雰囲気ではなかった。
「今朝は本当に申し訳ありませんでした…」
「ごめんですんだら警察いらねぇって言葉、知ってる?」
警察呼ぶほどじゃないと思うんだけど…。
「つーか、お前のせいで俺、こんなになっちゃったんだけど?」
「へ?」
亘理聖夜の制服を見ると、ビショビショになっていた。
「えー…っと」
「お前のせいで俺の午前ティーがこぼれちゃったんだよ!俺の朝の楽しみをどうしてくれる?」
え…っと。クリーニング代?
「クリーニング代は払い…」
「午前ティー代」
は?
「150円。これから毎日な」
は?!
「俺の朝の楽しみを邪魔したからな、これくらいはしてもらわないと。ってことで、俺の卒業まで午前ティーをおごるの、OK?」
はあああ?!
OK?なわけないでしょ!
クリーニング代より高くなんじゃん!
「とにかく、そういうわけだから。朝、8イレブンで待ち合わせだかんな」
亘理聖夜はそう言って、アタシの前から去っていった。