「でさ~」
毎朝、アタシは先輩と登校してる。
好きだと気付いてからは、ちょっと楽しみだったりする。
「ねぇ、聞いてる?」
先輩がアタシの顔を覗き込む。
か…かっこ可愛い!
ん?これって意味合ってるかな?でもまさに今そんな感じ!
先輩は下から覗き込むと、目がクリクリになる。
「…はっは~ん。俺のことかっこいいとか思ってたでしょ?」
「お…思ってません!」
気持ちだけはバラさないようにしないとっ!
そしたら毎朝気まずいからな、うん。
「まあいいや。じゃあ、また明日」
学校に着いたらアタシの夢は終わり。
がくっと現実に引き戻される。

「おはよ~」
「おっはよお♪なんか進展ありましたかあ?」
「なっないし!カレカノじゃないんだから!」
沙希ちゃん!朝から何を言うの!
「もぉ~♪唯ちゃんったら自分の恋バナになるとツンデレになっちゃうのね~♪」
頬をツンツンされた。
沙希ちゃんに馬鹿にされてるアタシって…ガチの馬鹿?
「なんだとぉ!沙希はこれでも10位以内には入ってるんだからな!」
沙希ちゃんに心を読まれ、まさかの事実を暴露された。
「嘘っ!」
「嘘じゃない~!ホ・ン・ト☆」
沙希ちゃん…、そんなに頭よかったのか…。
「おはよう、沙希。あと唯」
「何そのついで感覚!」
澪ちゃんひどぉ~い;;;
「ねぇねぇ!今日の放課後服買いに行きたいんだけど♪付き合ってくれない?」
沙希ちゃんが唐突に言う。
「私はいいわよ。唯は?」
「アタシは…。モチロン!」
アタシも服買いたかったんだよね~♪
「やったぁ♪じゃあ放課後沙希の家の近くの公園集合ね☆」
そう言って、朝はHRが始まった。