水曜日の彼女


 「ヒデ君って今時の若者っていう気がしないよね。」


 「えっ、そうっスか?」


 「うん。擦れてないって言うか、真っ直ぐって言うか、上手く言い表せないけど。」


 「…それって良い意味で取っていいんスか?」

 誉められている気がしねえ。


 「勿論。」

 望さんは頷いた。

 「その年頃の子ってもっと軽くない?若いから考え方も浅いし。偏見かもしれないけど、私含めて周りみんなそうだったし、世間もそう見てるよ。」


 「学生みんながチャラい訳じゃないっすよ。ただ俺は違うとは言えないな。」

 おまけに優柔不断だしヘタレだし自分自身どうしようもない男だ。

 
 「…ヒデ君って、思っている事がすぐに顔に出るよねー。」

 望さんが笑いながらちらっと俺の方を見た。


 「やっぱり、そうっすか?前はそうでもなかったんだけどなあ。」

 恥ずかしい。やっぱりバレていたか。


 「私、そういう所好きよ。」


 望さんは俺が思っていても言葉に出来ない事をいとも容易く口にした。


 「…ええっ!?」


 俺が驚いているのにも関わらず話を続けた。