水曜日の彼女


「免許って持っているの?」

 望さんが聞いてきた。


 「いや、まだっス。バイト代貯めて来年の夏までには教習所行こうと思ってるんですけど。」


 友達も半数以上は免許持ってて、正直、本当に欲しい。


 「偉いねえ。自分でお金出すんだ。」

「親がケチなだげっスよ。」


 「でも、バイトで貯めるの大変でしょ?だから頑張ってるんだね。私なんて働いてても全然貯まらないよ。この車もローン組んだし☆」


 「俺の中では車なんてまだまだ遠い存在ッスよ。免許取っても親の車を使うつもりだからなあ。」


 免許取ったら一番最初に望さんを乗せたい。

 その時も笑いながら喋れる間柄だろうか。


 「確かに、大学生には車は贅沢かなー。」

 望さんは軽く笑った。